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起こし絵!って知ってますか?店長の組み立て美術館。

      2017/10/11

起こし絵!って知ってますか?
アブラグラの店長実は宮部みゆきの大ファンで現代小説の方は
『誰か』ぐらいしか読んでいませんが!時代小説の方は『初物語』『ぼんくら』から
『日暮らし』「おまえさん』までを何度も読んではその都度グッときて最初は号泣、
2度目はしゃくり泣き、何度読んでも江戸の人々の日々の暮らしに心打たれています。

『桜ほうさら』も、読むのは2度目ですが、今回あーそうだったと
小さなことに気がつきました。
「起こし絵」という超豪華お料理本の付録の事です!

夏に美術館に行って「来館記念夏休みスペシャルイベント」でいただいたオマケ!
あれって「起こし絵」じゃなかったかしら?と今日は一日探し物してやってみました。


『料理通』というのは、江戸の文化文政のころ大流行した料理本で、グルメ番組や
グラビア本のなかった時代に出版されたなかの一番ゴージャスな絵入り本です。
江戸一番の料理屋の八百善が四季の献立を説明や調理法、八百善のお客様の
文化文人が挿絵で料理を描いているという大変豪華な本だったようです。

今もお料理の本は簡単クッキングとか有名店の懐石料理など、目にも楽しい豪華で
ため息の出るような器にもりつけられた芸術品クラスのお料理本まで色々な種類があります。
塩麹レシピやスムージーレシピなども爆発的にヒットしたと記憶しています。

やはり、食べることは生きることなんですね。you are what you eatを読んで以来
食事の取り方を多少店長は変えました。
朝ごはんを無理にでも食べなくてはいけないという強迫観念から解放されました。

話は、料理本から逸れましたが、宮部さんの『桜ほうさら』ではその八百善の間取りや調度、
供された料理などがいくつかの紙に描かれていて、それを切り取って組み立てると、
天井から見た八百善さんの内部ができてミニチュア八百善を楽しめるという
豪華な料理本の付録が出てきます!それが「起こし絵」と呼ばれるものです。

店長は付録にも滅法弱いのですが、今回はそれはさておき絵起こしという知的な遊び
楽しそうだと思いました。

一人でこっそり食べるものを記録するという事は大女優でお料理がお上手だった<沢村貞子>さんの
手帳とインタビュー記事を読んでからいつか、そういうことをしたいと思っていました。

店長はお茶仲間と月に一度オウチ茶会していますが、茶会記を忘れないうちに使った器や
お道具など折本を作って描いています。ちゃちゃっと1時間ぐらいでおしゃべりしながら
皆でやっているので続いています。

塗り絵の楽しさとイラストの楽しさの療法をいっぺんにやっているわけですが、
宮部みゆきさんの小説の中に出てくる「起こし絵」というのは素敵な趣向ですよね。
寸法通りに切ったり貼ったりは難しい作業ですがやりがいはありそう。
ボトルシップや精密画でなくても、ドールハウス風の自分の夢の暮らしみたいなの夢は広がります。

一人で手紙を書く時間と密かに塗り絵をする時間はとても気持ちが落ち着きます。
切り抜いて面白い本を作るというスモールブックの本も好きです。
折本にも一時ハマりましたが塗り絵も好きですね。

「起こし絵」は昔の着せ替え人形に似たのがあったような気がします。
何人かの紙に青にんぎょうの肩に曲げてお洋服を着せるフックになるところがあって
靴も履かせたりできたと記憶しています。
いま、昔の日本の遊びも子供の脳に良いと注目されているようですね。
お手玉で反射神経や色彩感覚を養ったり手触りもやさしく「にぎにぎ」するのも良いことらしいです。
数珠(ジュズ)を河原に取り行ったり小豆をフライパンで弱火でから炒りしてお手玉の中身を作ります。
良い音がでるのにこだわるということも納得です。お寺のお坊さんの数珠も良い音がしますものね!

日本人はそういう豆の音にもこだわるぐらいだから茶の湯で松風を聴くのは当然かもしれませんね。
グルメや飽食ではなく毎日丁寧に笑って暮らせるのが理想です!

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