面白道具の油蔵     

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木具師「橋村萬象」還暦記念作品展 at 名古屋東玉堂

   

名古屋東玉堂さんで開かれた橋村萬象先生の還暦記念茶会に行って参りました。
お道具はもちろん橋村萬象先生のものが多かったのですが、特に利休形の
寸法通りの水指「菊置上引用曲水指」と「菊曲蓋置」が初代萬象のお作とのことで
数十年も使い込まれた美しい木地の曲木のものだとご説明いただき
自然の素材の美しさにうっとりとして「日本ってスゴイよね!」と毎度のことに
ウンウンと内心唸っておりました。

橋村家は平安遷都の折に奈良より皇室のお供をして京都に移住。
以後「橋村又左衛門」の名で名字帯刀を許されたお家で数十代にわたり
御所禁裏御用の「有職御木具師」として幕末まで皇室の御用を賜ったとのこと。
東京遷都以後は公家の御用を賜りながら「茶器木具師」として茶道具を作り始め
茶器木具師としての三代目の又左衛門が大徳寺官庁より「一刀萬象」
ひとつの刀より万のかたちを作るという意味のお名前を拝受したそうです。

当代萬象先生は3代目萬象とのことで、お茶会で使われたのはおじい様の作。
そのころより50年後はどうなっているか、という視点からモノ作りをされていたそうです。

置上の茶箱などがべらぼうに高価なのにはワケがあったんですね!
今回も作品展ではこちらの水指は100万円オーバーという高価なお品でした。
わたくしはお茶会を先に楽しんで曲木のお話とどれも素敵な小ぶりの
お誂えのお茶碗に感動しておりました。
交趾で有名な翠嵐さんのお茶碗、佐々木松楽さんのところの高名な虚堂さん、
永楽さん、どれもこれも全て橋村家が特別に誂えたものということで
世界でただひとつののオンリーワンを手に取って触らせていただきました。
どれも小ぶりでしたが「小ぶり」という注文をなさっているのだと伺いました。
茶箱や御所籠にはぴったり!というサイズで店長「欲しい欲しいの虫」が疼いて
お尻がもぞもぞするほど、そしてお茶碗にレーザービームではありませんから
穴は開けられませんが、穴が開くほどじっくり拝見させていただきました。
本当に感謝!感謝!の一日でした。
お菓子は金の羊羹の大黒屋さんの紅白のきんとんの中にお餅という贅沢な
お菓子が縁高で供されてこちらもとっても嬉しかったです。

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